職人さんと直接お取引をしてリーズナブルなリフォームを実現するためには、分離発注が必要になります。
分離発注とは、リフォームの内容ごとに職人さんにそれぞれ発注することです。

一般の方の中には、職人さんならなんでもできると思っている方が実は結構多くいらっしゃいます。
しかし、実際はそうではありません。

お医者さんを思い浮かべてください。
内科の先生は手術はできません。手術は外科の先生が専門だからです。
つまり、内科の先生はリフォーム職人でいうところの内装職人、外科の先生は大工のようなもので、それぞれの専門分野があるのです。
眼科や泌尿器科の先生もそれぞれの専門分野に特化しており、リフォーム職人でいうところの設備屋さんや電気屋さんをイメージすると分かりやすいかもしれません。

もちろん中には、器用な職人さんもいますので、1人で内装や大工工事、さらには電気工事もできる多能工と呼ばれる貴重な職人さんもいらっしゃいます。

そして、分離発注をすることで2つ目の重要なポイントは、その順番です。

例えば、クロス張替えと木枠の塗装が原状回復工事である場合は、塗装が先でクロス張替えが後になります。もし、これを逆にやってしまうと塗装職人さんにこっぴどく叱られます。

理由は、クロス工事を先にやってしまったら、養生の手間がかかるからです。
塗装業界では、養生8割塗装2割と言われているように、養生に手間と時間がかかるのです。
クロス工事の前に塗装工事が入れば、養生の手間と時間が省けるからです。

このように、リフォーム内容の順番というのは極めて重要になります。

そのため、ここでは、原状回復工事を分離発注する際に、どの職人さんをどの順番で使うかについて、具体例を用いながらレベル別に解説していきます。

分離発注のレベル別イメージ

レベル1:1職人(例)クリーニング
レベル2:2職人(例)クリーニング、内装
レベル3:3職人(例)クリーニング、内装、電気
レベル4:4職人(例)クリーニング、内装、電気、設備
レベル5:5職人(例)クリーニング、内装、電気、設備、大工
レベル6:6職人(例)クリーニング、内装、電気、設備、大工、建具
レベル7:7職人(例)クリーニング、内装、電気、設備、大工、建具、塗装