賃貸物件の内装で「失敗しない選定」のコツを解説
賃貸物件の原状回復やリフォームでは、クロス(壁紙)、床材、巾木の張り替えはよくある工事項目です。
しかし、「何を基準に選ぶべきか」は案外迷うもの。安さ?見た目?耐久性?
この記事では、現場で多数の施工を行ってきた職人目線での選定ポイントを解説しつつ、
大家さんや管理会社にとって失敗しない選び方もお伝えします。
クロス(壁紙)を選ぶポイント
✅1. 種類は「スタンダードクロス」と「ハイグレードクロス」
- スタンダードクロス:コストを抑えたいときに最適。主に白系・シンプルなデザイン。
- ハイグレードクロス:高機能タイプ。防カビ・抗菌・ペット対応・消臭などの機能付き。
✅ 2. 白一色でも「質感」が大事!
- マット調、石目調、布目調など、質感で印象が大きく変わる。
- 実際の物件で「映える」のは、少し凹凸のあるデザイン性のある白。
✅ 3. 貼り分けは慎重に
- アクセントクロスは映えるが、退去時の貼り替え費用がかさむ場合もある。
- 若年層向け物件では人気だが、単身高齢者向けには不向きなことも。
床材(フローリング・クッションフロア)を選ぶポイント
✅ 1. 原状回復では「クッションフロア(CF)」が主流
- 安価で防水性もあり、賃貸住宅には最適。
- 木目調でもリアルな質感のある商品が多く、見た目も◎。
✅ 2. 色選びが“高級感”を左右する
- 明るめのナチュラル系:部屋が広く見え、万人受け。
- グレー系・ダークブラウン系:シックで高級感が出るが、ホコリやキズが目立つことも。
✅ 3. 貼り方向にも注意!
- 長辺に沿って貼ることで部屋が広く見える。
- キッチンや水回りでは、防滑性や耐油性も考慮。
巾木(はばき)を選ぶポイント
✅ 1. クロスとの「つなぎ役」
- 巾木の素材と色は、クロスや床との「境目処理」として重要。
- 古いまま使い回すと、せっかく貼り替えた壁や床との違和感が出る。
✅ 2. 色合わせは“主張しない”が基本
- 白系や床材と同系色にして、自然な見た目にするのがベター。
- 高級物件では木目柄の巾木を使うことで統一感を出すケースも。
✅ 3. 交換するタイミングは?
- クロスと床を同時に張り替える場合は、巾木も一緒に交換が基本。
- 剥がれ・割れ・汚れがある場合は、費用をかけてでも交換すべき。
プロ職人が現場で重視する3つのこと
ポイント | 理由 |
貼りやすさ・施工性 | 凹凸のあるクロス、扱いやすい床材で作業効率UP |
補修のしやすさ | 同じ品番が流通していると、部分貼り替えがしやすい |
退去時の再利用性 | 傷つきにくい素材・色合いは、次回コスト削減に有利 |
大家さん・管理会社が選ぶときのアドバイス
- 「流行」よりも「入居者ターゲットに合うか」で判断を!
例:若年層→モダン・明るめ 高齢者→落ち着いた色合い - 職人さんに「この素材どうですか?」と聞いてOK!
経験上、施工しにくい素材や割れやすい床材など、プロしか知らない情報もあります。 - 長期的な修繕コストも視野に入れて選ぶことが重要
多少コストが上がっても、耐久性が高ければ結果的にお得になることもあります。
まとめ:素材の選定は“入居者目線+施工目線”のバランスがカギ!
内装の素材選びは、ただ見た目だけで決めるのではなく、
誰が使うか・どれだけ持たせるか・職人が施工しやすいかまでを含めて考えることが、満室経営への第一歩です。