仕上がりで空間の印象が決まる──内装職人・高梨さんのこだわり

「クロスや床って、部屋の印象を一気に左右するんですよ。」

内装職人として21年。高梨さんが何より大切にしているのは、“仕上がりの美しさ”と“現場に合わせた柔軟な対応力”です。

「プリントクロスや柄物、輸入クロスなど、種類によって下地処理や貼り方も全然違います。それぞれの特性に合わせて、丁寧にやっています。」

賃貸物件の現状回復からスタートした当初は、白いクロスが基本だったそうですが、独立後は新築戸建てや注文住宅、リノベーションまでさまざまな案件に携わるようになりました。

「いろんな素材を触ってみたくて。“全部覚えて全部できるようにしよう”って思ってました。」


「柄物クロスも、機能性クロスも」──高梨さんの“売り”になる仕事

最近では、汚れ防止や抗菌などの機能を持つハイグレードクロスや、空間のアクセントになる柄物クロスの施工にも力を入れている高梨さん。

これらのクロスは、施工方法や使用する糊が一般的なものとは異なり、高度な技術と素材ごとの知識が求められるため、仕上がりの完成度に大きな差が出るといいます。

空間全体の雰囲気ががらりと変わることも多く、「雰囲気が全然違う!」と喜ばれることが多い施工内容。
丁寧な下地づくりと適切な材料選びによって、より魅力的な空間を演出できる、高梨さんならではの得意分野のひとつとなっています。


床の仕上がりにも、妥協しない

得意な工事を尋ねると、やはり「クロスの張り替え、床の張り替え」と即答。
クッションフロアやフロアタイルにも対応しており、現場やご要望に合わせて柔軟に施工しています。


▲市松模様のクッションフロアが印象的なキッチン。空間全体に調和する色合いで、落ち着いた印象を与える仕上がりに。

「最近はあまり見かけませんけど、ロフトなど狭い空間で「直張りで対応してほしい」というご相談にも、内容によっては柔軟に対応しています。」

床は、クロスと同じくらい空間の印象を左右する要素。“見た目”にも“質感”にもこだわって仕上げているという言葉から、強いプロ意識が伝わってきました。


▲印象的なブルーストライプの天井と、清潔感ある洗面空間。空間ごとに最適な素材とデザインを選び、美しい仕上がりにこだわっている


下地処理は「見えないけれど、いちばん大切な仕事」

「下地の状態が悪いと、どんなにうまく貼っても綺麗に仕上がらないんです。そこは本当に気を使ってます。」

古い和室や、砂壁などの難しい下地でも、状況に応じて施工可能とのこと。
たとえば、壁がボロボロに崩れ落ちてしまいそうな現場でも、「やってほしい」と頼まれれば、精一杯対応します」と、静かに語ってくれました。

さらに驚いたのは、こんな一言。

「コンクリートの打ちっぱなしの上にも、ちゃんと下地を作ればクロスを貼れますよ。」

一般的に難易度が高く、断られやすい施工内容も「工夫次第でできる」と即答できるあたりに、現場で培ってきた経験の厚みが表れていました。


 「クロスや床の仕上がりを見て“頼んでよかった”って思ってもらえるのが一番嬉しい。お客様の思いを形にするのが、自分の仕事だと思っています。」