賃貸物件の原状回復といえば、「クロス(壁紙)の貼り替え」や「ハウスクリーニング」を思い浮かべる方が多いかもしれません。でも、少し古い物件や和風の建物では、それだけではうまくいかないこともあります。
たとえば、こんなことに心当たりはありませんか?
- 玄関のモルタルが欠けていて、見た目が悪い
- 階段の横にひびが入っている
- 昔の塗り壁が剥がれて、クロスが貼れない
- 洗面所の床がガタガタで、クッションフロアを貼る前に直す必要がある
これ、実はすべて「左官職人」の出番なんです。
左官職人ってどんな仕事をする人?
左官(さかん)職人は、「壁や床を塗って仕上げる」ことが得意な職人さん。
モルタルや漆喰(しっくい)、土、コンクリートなどの材料を使って、家やビルの中をきれいに仕上げていきます。
たとえばこんな作業をします:
- 壁のひび割れをモルタルで埋める
- 古い塗り壁を修理して、クロスや塗装ができる状態にする
- 傾いた床を水平に直して、新しい床材が貼れるようにする
他の職人さんが手を出しにくい部分を、左官職人は専門で直すのです。
※外壁などのモルタル補修については、小さいひび割れであれば塗装職人が行うケースもあります。現場によって対応が異なるため、まずは写真等を送り状態を見てもらうのがおすすめです。
古い物件の原状回復にも大活躍!
築30年以上のアパートや、昭和の戸建て、スケルトン返しのテナント(内装を撤去し、むき出しの状態で物件を引き渡す契約の物件)などでは、まだまだ左官技術が必要な部分があります。
よく見かけるシーンはこんな感じです。
▶ 玄関まわりの補修
玄関や階段、外構がモルタル仕上げになっていて、欠けたり剥がれたりすることがよくあります。
→ 玄関の印象が大事なので、入居前にきれいに直しておきたい部分です。

▶ 洗面所やトイレの床
古い物件では、水まわりの床がモルタルの場合もあり、ガタついたり割れていたりします。
→ クッションフロアやフローリングを貼る前に、左官でしっかり下地を整える必要があります。

▶ 和室の塗り壁
じゅらくや漆喰で仕上げられた和室の壁が剥がれたり、落ちてきたりします。
→ そんな時には、クロスを貼る前に左官職人による下地処理が欠かせません。

「ここだけ直したい」に対応できるのが左官職人
大手リフォーム業者に頼むと、左官作業も外注に回され、費用が高くなったりすることもありますが、左官職人に直接頼む「分離発注」なら、無駄なコストを抑えて、必要なところだけ直せます。
「この一面だけ直したい」「玄関だけきれいにしたい」「この段差だけ直したい」といった要望にぴったりなのが、左官職人の仕事です。
「うちは左官なんて関係ないよ」と思っていた大家さんも、実は左官の技術が必要な場面があるかもしれません。
次回は「原状回復の現場で左官職人が活躍する具体例」をご紹介します!
「どこに頼めばいいか分からなかった」「左官って誰がやるのか知らなかった」——そんな疑問にお応えします!